2002年11月21日
三協化成はこれまで「世界の顧客に対し独自のコア技術と誠意あるサービスでニーズに応えることで、その存在価値を高めていく」ことを経営の基本に据え、新事業の構築に取り組んできた。十月からスタートした新三カ年計画もこの姿勢をさらに強め、厳しい環境下にあっても成長軌道を確かなものとする狙いだ。
新三カ年計画の中で重点を置くのは「オリジナリティある製品および技術をより一層充実させる」と「顧客に対するカスタムメイド生産の徹底」。前者では、製品については創業以来の硫化ソーダ事業をベースとするS化合物への特化を図る。具体的には医薬、農薬、写真薬、機能性樹脂、環境などの分野においてトリアジンチオール誘導体、チオフェン誘導体、パラメルカプトフェノール誘導体など優位性の発揮できる化合物を基点として開発を進めていく。製造技術についてはベンゾフェノン誘導体のフォトレジストへの採用が始まった二十年前から続けてきたメタルレス製造の経験を生かし、金属コンタミの制御が必要な化合物の受託製造を行っていく。現在のレベルでは粉体で金属分10ppb以下での製造管理技術だが、さらに高度な技術へと磨きをかける。
後者においては来年1月の取得を目指すISO9001(2000年版)※を実質的に経営システムとして活用することにより、より顧客に密着したモノ作りに全社員で努めていく。
これらの計画を達成するため、同社は人作りを重視、昨年掲げた「ヒューマンケミストリー 人が見える化学」をスローガンに二十一世紀の科学(化学)を担う人材を育てていく。
(※ISO9001は2003年に取得しました。詳しくはこちらをご覧下さい。)
化学工業日報シリーズ特集「新たな成長へ -わが社の重点戦略」
2002年11月21日掲載