2003年9月22日
三協化成は十月から新たな事業年度を迎えるにあたり、昨年来の事業方針である「世界の顧客に対し独自のコア技術と誠意あるサービスでそのニーズに応えていく」を、より現実に近づけるための新たなコンセプトを打ち立て、顧客満足のさらなる向上を目指していく考えである。
とくに、厳しい事業環境のなかでいかに新規事業を構築していくかが最大の課題であり、同社は経営資源をここへ集中させる戦略をとっている。今年七月には営業の本拠を大阪から東京へ移転し、関西で築いた基盤の上に首都圏から海外をも見据えた新たなネットワークの構築を行う体制を整えた。次いで開発プロセスに関しても、機能を新規テーマへの対応に特化したかたちで集約し、顧客へのレスポンスを質・量ともに向上させていく。また既存事業に対しても、これまで以上に顧客の要求に適切な対応がとれるよう、顧客と営業との密着度を上げるとともに、生産本部内の技術スタッフを充実させ、品質、コスト両面での迅速な対応を可能とした。
これに加え、同社のコア技術である「有機S化合物」「メタルレス化合物」に対しても、より一層の差別化を図るべく幅広い分野に向け、これら技術の活用を模索していく。このような取り組みは自社開発が基本だが、産学共同研究なども機会をとらえて積極的に進め、未踏技術領域での事業構築にも意欲的。
同社のコーポレートスローガンは「ヒューマン・ケミストリー 人が見える化学」、新事業構築のカギは「人」にあるとし、人間の育成に対する思い入れは変わらず経営のなかに生かされている。
化学工業日報
2003年9月22日掲載