三協化成株式会社

ニュースリリース

  • 2004年2月21日

    わが社の未来 人が見える化学で次代に挑む

     2004年という新しい年を迎え、日本経済はようやく株価の回復、民間設備投資の増加など明るい兆しが見え始めてまいりました。しかし、現実には私たちを取り巻く環境は、依然として厳しい要素が山積しております。今年も決して楽観できるものではない。逆に厳しさは去年よりも増してきているというのが、年始を迎えた私の偽らざる心境であります。
     三協化成の社歴は、前進の会社を含めますと今年で97年になります。その大半は無機化学の専業メーカーであり、中でも硫化ソーダは長年事業の中核として私たちを支えてくれたいわば家業ともいえるものです。
     最盛期にはその用途も皮革や染料、胴の選鉱などかなり広い範囲に及ぶものでしたが、30年ほど前に需要は大きく落ち込み、それに変わる新たな事業として有機合成の仕事に着手しました。
     それは当時の私たちにとってはまったく未知の分野であり、ずいぶん試行錯誤を繰り返しましたが、顧客ならびに同業者の方々からの温かいご支援のおかげで徐々に事業を成長させることが出来ました。今では売上高の約70%を有機化学の製品が占めるまでになっております。

     事業内容をもう少し詳しくお話しします。

     1.有機硫黄化合物
     硫化ソーダ由来の固有技術として長く取り組んでいるものです。硫化ソーダそのものもそうですが、化石資源を活用することで副生するS(サルファ)に機能を付与すること、それが私たちのこのビジネスに対する基本コンセプトです。
     とくにトリアジンチオールは、30年にも及ぶ産学協同で進めている事業であり、岩手大学の森教授、成田教授との共同研究を通じて、まったく新たな、そして世界に通じる独自製品の開発に努めております。また、PMP・チオフェン誘導体などを中心に医薬・農薬・写真薬などの分野へのSの活用にも近年力を入れ始めております。

     2.メタルコンタミネーションフリー化化合物
     ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の延長線上で始めたこの事業もすでに20年以上が経過しており、現在はより高度なレベルの製品(金属コンタミがより少ない)を受託製造しております。今後、同技術により一層の磨きをかけ、アジア地区で繰り広げられているIT製造ビジネスへ独自のソリューションを提供していく考えでおります。

     3.硫化ソーダ
     現在の主な用途は樹脂原料です。まずはこれらの顧客の満足度を高め、顧客のビジネスを下支えしていくことが第一の課題です。併せて、私たちの固有技術である世界でも他に類を見ない結晶硫化ソーダ、無水硫化ソーダといった製品群を擁し、さらに新たな用途開発を行うことが次のターゲットです。

     そんな私たちが21世紀の幕開けと同時に揚げたスローガンは「Human Chemistry-人が見える化学」。いつも“人=Human”の存在をしっかりと見つめながら、すばらしいパフォーマンスを持つ“化学=Chemistry”を創造していくこと、それが私たちの使命であるとの思いを込めてつくりました。この理念を実現するため、私たちは「高い意識」と「果敢なる勇気」をしっかりと携え、これからも激動の時代に挑み続けていこうと考えております。

    月刊化学経済
    創刊50周年記念号(2004年2月)掲載


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