2004年4月26日
三協化成は「世界の顧客に対し独自のコア技術と誠意あるサービスで、そのニーズに応えていく」を基本コンセプトに、独創性ある製品開発に積極的に取り組んでいる。同社が蓄積している得意の技術は「有機硫黄化合物」や「メタルレス化合物」に関する技術で、これらの化合物はすでに事業の中核をなしており、先端分野への供給のほか、医・農薬中間体として受託実績も豊富。
同社が力を注ぐのはオリジナリティのある化合物の創製と用途開拓。こうした化合物はポリマー架橋剤、重金属処理(除去)剤として知られるトリアジンチオール誘導体をはじめチオフェン誘導体、パラメルカプトフェノール誘導体など一連のS化合物が代表的で、機能や新規用途の可能性を追求していく。
研究開発が進行しているトリアジンチオール誘導体では、岩手大学との共同研究を通じてポリマー架橋剤の用途が開けつつある。グリーン調達など環境保全の観点から鉛を使用した架橋系の代替ニーズに応えるものとして改良を加えながら用途の定着を図る。また排水中の重金属除去・固定化用途に有用性を持つ誘導体の実用化にもめどをつけた。また重金属除去の実績を生かし、有機化合物製造工程での貴金属錯体触媒の除去システムを構築しつつあるため、このニーズに適する化合物をシステムとともに顧客に提案していく。このほか金属表面処理剤としての用途開発にも力を注ぎ、腐食防止機能や異種材料との接着機能、離型機能など多面的用途を開拓する。
独自性の高い化合物の創製が成長への原動力となるため、産学共同研究の機会を増やしながら有機硫黄化合物群を育成する戦略を継続していく。
化学工業日報
2004年4月26日掲載