2005年4月11日
三協化成は将来の飛躍に備え、研究開発および製造の両面で事業基盤のさらなる強化を図っていく方針である。新三カ年計画で投資計画を実行に移すべくスタートを切っており、コア技術を駆使した多様な化合物をユーザーに最適な形で供給できる事業構造を築き上げていく。新計画では、「個々の顧客に対するカスタムメード機能の強化」「オリジナル製品の拡充」という基本ポリシーのもとに、設備投資を集中する。
具体策の一つは研究開発力の強化で、今年五月には新たに工業化研究のための「プロセステクノロジーラボ」(PTラボ)を開設する。ユーザーに対し最適な合成プロセス技術を開発提案するほか、パイロット生産への移行を効率的に推進する機能を充実する。それと同時にオリジナル製品の開発研究機能の強化も含めて、四月から研究員を増員する。
次いで製造面でも、コア技術の一つであるメタルコンタミフリー技術を活用した電子材料中間体の生産体制増強のために新設備の検討に着手する。電子材料は需要の伸びがやや鈍化しているが、数年後には成長軌道に乗るとみられるため、供給要請に対応できる体制を整備しておく。オリジナル製品ではもう一つのコア技術である硫黄化合物の製造技術力を強化する。現在、ポリマー架橋剤を主な用途とするトリアジンチオール誘導体をはじめチオフェン誘導体など有機硫黄化合物の合成を軸に展開中だが、既存品の硫化ソーダを含めた無機系硫黄化合物の新規開拓にも力を入れる。
同社では「ヒューマンケミストリー 人が見える化学」のスローガンのもとに、人の育成を意識した活動を続けている。とくに若い人材にプロジェクトチームの運営をまかせることで、挑戦意欲を持った人材の育成に力を入れている。
化学工業日報
2005年4月11日掲載