2007年4月16日
三協化成は06年10月からローリング方式にもとづく三カ年の経営計画をスタート、新たな飛躍へ向けた取り組みを行っている。今年中に原料の海外合弁会社での製造から、コア技術・製品の製造能力拡大・安定供給を狙った新工場建設など成長のための事業インフラ整備の大型投資が完了する。
事業の展開に当たっては、コア技術のメタル・コンタミネーション・フリー化技術や硫黄化合物合成技術などを活用し、顧客に対するサービスやオリジナル技術・製品の拡充など、ものづくりに徹底的にこだわって行く。
生産体制では、最先端のフォトレジスト用中間体の新工場が今春には完成する。新工場はメタルを極限まで減らす市場ニーズに応えて、クリーンルームを導入するなどメタルフリー対応設備となっている。9月までにバリデーションを完了させ10月から戦力としての本格稼働を見込んでいる。同社はまた、昨年12月にPPS樹脂などの原料となる水硫化ナトリウムの安定調達・供給を目的に中国・山東省において合弁会社「東営三協化学有限公司」を設立し、工場建設および物流の構築を進めている。今夏以降には年産能力約1万トン(100%水硫化ナトリウム換算)の設備が立ち上がる。
一方、新しく重点分野開拓を目指すなかで、キラル化合物合成技術をコア技術として創製を推進する。新薬の開発などで注目されているキラル化合物の受託につなげていく。
今期から、“精緻化されたものづくり”を目指した取り組みを開始している。安全・環境・品質管理の徹底はもとより、製造・販売・研究・管理など三協化成の全事業活動に当たって、心を込めてものづくり(仕事)をすると言う、日本人の忘れかけた職人の魂を社風として次世代に受け継ぐための運動として展開して行く。
化学工業日報
2007年4月16日掲載