2008年4月14日
三協化成は、創業以来101年、2世紀目に入った。これまで蓄積してきた技術を応用。有機および無機の硫黄化合物メーカーとして存在感をさらに高め、グローバルニッチの製品を通じて、社是の「Human Chemistry-人が見える化学」を実践していく。
同社の今年度の重点は、『精緻生産体制確立』、『電子材料事業の拡充』、『中国事業の立ち上げ』。なかでも、以前から推進している「精緻化されたものづくり」には力点を置いている。安全への配慮を徹底するとともに、原料から生産、出荷までの全段階での検証を行い、その阻害要因を排除、高品質のものづくりを持続していく。
電子材料事業は、成長の原動力となっているフォトレジスト中間体で、最新のF-11工場が来月から本格稼動する。クリーンルームを導入し、独自のメタル・コンタミネーション・フリー技術を駆使した先端生産拠点として期待が高い。また、今年からクリーンルームを完備したEL-ラボも稼動しており、現行の製品の高品質維持と次代のフォトレジストへの対応も万全を期している。
同社が手がける硫黄化合物、その可能性はまだまだ大きい。自社での開発はもちろん、ベンチャーなどと連携して、新製品開発を加速する。トリアジンチオール誘導体の用途開発、光学活性体の製品開発もいよいよ視野に入ってきた。
また、高耐熱のPPS樹脂向け原料などとなる水硫化ソーダについては、中国の水硫化ソーダがいよいよ夏には本格稼動に移る。供給体制がさらに磐石なものになる。同社は今後も、精緻なものづくりと開発力を融合。顧客へのソリューション提供と自社開発品、デュアルな事業構成で成長を加速していく。
化学工業日報
2008年4月14日掲載