2008年8月1日
三協化成は、新工場及び新組織の整備を契機として、有機中間体事業のさらなる飛躍を実現する。コアであるメタル・コンタミネーション・フリー技術で電子材料中間体の拡大を加速するとともに、有機硫黄化合物合成技術を駆使し医農薬中間体を含めた化成品の受託事業の拡充を進める。
特に、半導体向けのフォトレジスト中間体については、5月から稼動を始めた新工場への期待が大きい。この工場は、クリーンルームを完備し最先端のArFレーザー用の中間体にも対応が可能となっている。現在、バリデーション実施中で、10月以降、本格生産へと移行する計画である。この新工場と従来の電材工場とのデュアルな生産体制を確立することで、顧客の要望により幅広く応えることが可能になる。
また、昨年完成したクリーンルーム完備のEL-ラボとのコラボレーションで、低メタルの技術開発およびサンプルから製品までの供給体制を作り、電子材料分野の技術革新に対応する考えである。
有機中間体の受託生産でも、顧客のニーズによりきめ細かく応える新組織を整備した。オリジナル品開発やノウハウ確立など開発からものづくりの基本確立までを担当する開発研究室、パイロット設備のハンドリング機能を備え顧客の商品化要求に素早く応える工業グループとに機能を分割。受託ニーズに的確かつスピーディーに応える組織とした。
一方、製造面では、数年前から続けている品質の安定化を目的とした精緻生産についても、来期以降、人員をはじめ経営資源を投入して一層の高度化を進める。環境対策の面で、排水処理設備の改善、廃棄物低減など体制を整備していく計画である。
化学工業日報
2008年8月1日掲載