2009年7月21日
三協化成は、独自の精緻生産技術を駆使したファインケミカル・メーカーとしてその存在感を高めている。医農薬や電子関連分野を主力需要分野として、市場を深耕している。また、中国の合弁会社(東営三協化学有限公司)の水硫化ソーダ生産も軌道に乗り、中国や韓国市場を着実に開拓。将来的には、わが国への供給も視野に入れている。
同社は、精緻生産による高品質・高信頼性の製品作りを身上に事業を展開。有機・無機硫黄化合物の合成技術を融合した有機硫黄化合物合成事業と独自のメタルコンタミネーションフリー技術を駆使した電子材料事業を柱にしている。
有機硫黄化合物合成事業については、従来の医農薬分野に加え、新分野、特に、エネルギー、環境など成長分野に力を入れ、ベンチャー企業と連携して、新製品開発を進めている。「いおう化学研究所」で開発している新トリアジンチオール誘導体は、接着用途で注目されるなど、新規市場として今後が期待されている。一方、医薬中間体の開発を目指している「キラル・デザイン・ラボラトリー」でも、開発品のサンプル供給を今秋から開始する。
電子材料事業では、フォトレジスト中間体の生産拠点で、メタルコンタミネーションフリー技術を駆使したF-11工場が順調に稼働。クリーンルームを備えたELラボとのコラボレーションで、高品質の製品供給で最先端分野において高い評価を得ている。
それから、今後厳しくなる顧客要望に対応するために、新製品開発および工業化体制を強化する。R&Dラボ・プロセステクノロジー(PT)ラボ・ELラボの3ラボの機能を一体化、開発のスピードアップを図るとともに、精緻生産技術を柱とした「ものづくり」で、新市場開拓を進めて行く。
化学工業日報
2009年7月21日掲載