2009年10月19日
三協化成は、電子材料分野におけるメタル・コンタミネーション・フリー(MCF)技術および硫黄誘導体技術を核に、電材分野やファインケミカル・医薬品分野などの顧客にソリューションを提供。精緻生産体制の強みを加味して、高度化する顧客ニーズに応えていく。
MCF技術は、金属汚染低減への要求が強い電子材料用途では不可欠のソリューション技術。昨年から稼働を開始したF-11工場には、クラス10万のクリーンルームを備えた最新鋭設備に加え、分析技術高度化を目的としたクラス100~10000のクリーンルームを備えたELラボでは粉体に含まれる3ppb以下の金属測定も可能になった。
一方、硫黄誘導体技術の開発・展開では、盛岡市にある産学協同ベンチャー「いおう化学研究所」で、分子接着技術の工業化ステージの検討を開始する。接着が難しい異種材料を化学結合で強固に接着するもの。電材分野や自動車など幅広い用途での実用化を模索する。
また、中国の水硫化ソーダ合弁企業「東営三協化学」では、中国市場での旺盛な需要に応えるため、年内に50%増強工事を実施、来年2月からの増産を計画している。
これら一連の技術高度化や生産体制の整備に加え、より精緻な生産を可能にするため、この間、設備保全やマニュアル高度化、多能化技術研修などを実施している。今後も、昨年からの世界同時不況による影響をバネとして、再び成長軌道へと進む顧客ニーズへの即応を念頭としたこれらの活動を充実。顧客からの信頼をさらに確かなものにしていく。
化学工業日報
2009年10月19日掲載