2010年7月30日
三協化成は、「有機硫黄化合物合成技術」および「メタルコンタミネーションフリー(MCF)技術」という両輪をなすコア技術を柱に、電子材料分野や医薬品中間体分野など成長分野をターゲットに次代を見据えた各種有機中間体事業の強化拡大に注力している。
祖業である無機化学と有機合成技術を融合した有機硫黄化合物の取り扱いノウハウは強みの一つで、これを製品の特性に生かして医農薬中間体、紫外線吸収剤、ゴム薬添加剤、さらには有価金属の回収など幅広い分野で事業を展開してきた。
またフォトレジスト中間体や情報表示材などの電子材料分野では、ますます高まる顧客要求に対し、さらなる製品の高品質化を徹底追及している。とくにこの分野では金属汚染の高度な低減要求があり、これまでに培ったMCF技術を集大成したラボ施設と専用プラントで対応している。ラボ施設「EL-LAB」は、クラス1万の実験室とクラス1000のICP-MS分析室などを完備。一方のMCF専用プラントでは、合成ゾーンと精製ゾーンを分け、クラス10万のクリーンルームで製造から充填までを行っている。この高品質化に対する徹底した生産管理体制は、電材の最先端分野において高い評価を受けている。
電材分野とともにさらに伸ばしていきたいのが医薬中間体分野で、新たにベンチャー企業「キラル・デザイン・ラボラトリー」を傘下に入れ、ニッチ分野への参入に向けた活動を進めている。
同社は「精緻生産」の旗を掲げ研究開発から製造、品質管理まで一環体制による顧客へのスピーディかつ密着的な対応を誇っている。今後さらに特徴を発揮できる分野に経営資源を集中させ存在感を高めていく方針だ。
化学工業日報
2010年7月30日掲載