2011年6月29日
三協化成は、祖業の無機硫黄化合物から発展させてきた「有機硫黄化合物合成技術」と、紫外線吸収剤から発展させたベンゾフェノン誘導体合成に始まる「メタルコンタミネーションフリー(MCF)技術」の両輪でもって、電子材料分野や医薬品中間体分野などを中心に市場を深耕している。
電子材料分野では、得意のMCF技術で、フォトレジスト中間体や情報表示材向けを中心に優れた品質の素材を提供している。この高機能素材の製造を可能にしているのが、安芸津事業所(広島県東広島市)内にある「MCF専用プラント」で、精製から充填までをクラス10万のクリーンルーム内で一貫して行っており、コンタミネーション防止のため精製と合成ゾーンを分離するなど徹底した品質管理で年々高まる品質要求に対応している。
MCF対応の実験や分析を行うラボ施設「EL-LAB」では、クラス1万の実験室やクラス1000のICP-MS分析室などを完備し、クリーンな環境下で顧客の要望に対応する高品位のサンプルの試作や製造に向けたデータ蓄積を行っている。
医薬中間体分野では、原薬製造事業への参入も視野に、GMP体制の確立を図っている。また、ベンチャー企業のキラル・デザイン・ラボラトリー(大阪市此花区)では、キラル化合物の研究開発によるニッチ分野への参入に向けた活動を進めている。
三協化成では、東日本大震災の復興をサポートすべく、「変化への対応」と「顧客への誠意」の2点を重点活動スローガンに追加し、スピーディーで精緻な生産による顧客満足を追求している。
化学工業日報
2011年6月29日掲載