3-アミノピロリジンは、有用な医薬中間体として知られています。例えば、3-アミノピロリジンが導入されたキノロン系化合物は優れた抗菌活性を示し、抗菌薬として上市されています1)。 光学活性3-アミノピロリジン関連化合物は、その絶対配置と薬効について幅広い構造活性相関が報告されています2)。
3-アミノピロリジンは、分子内に一級アミンと二級アミンの二種の官能基を有することから、位置選択的に化学修飾を行うには、一方を保護基で保護する必要があります。弊社は、3-アミノピロリジンの1位をBoc基で、あるいは3位をCbz基で保護した誘導体のそれぞれにつき、R体とS体の両エナンチオマ-を取り揃えております。
3-アミノピロリジンの各種誘導体の合成例は多数報告されていますが、1,3-ジアミノピロリジンは合成例のない新規化合物です。弊社は、3-アミノピロリジンの1位にアミノ基を導入することに初めて成功し、3位がBoc基で保護された1,3-ジアミノピロリジンの塩として、R体とS体の両エナンチオマ-を取り揃えております。これらの化合物を用いることにより、1,3-ジアミノピロリジンの1位のみ、あるいは1位と3位のアミノ基の位置選択な化学修飾が可能です。
3-アミノピペリジンは、3-アミノピロリジン誘導体と同様に有用な医薬中間体として検討され、6員環構造ゆえの薬効が期待されています。